走湯権現(そうとうごんげん)の魅力
佐竹さんの描く神竜、美しいです・・・

『あまねく神竜住まう国』は、徳間書店児童書の創設20周年記念に書いた作品で、短くおさめるものが必要でした。自然、『風神秘抄』のスピンオフを構想しました。
草十郎と糸世がエンドマークの後に向かう場所は、草十郎が頼朝に「必ず追っていく」と約束した伊豆だと考えていたからです。
しかし、打倒平氏の旗揚げをする前の伊豆での頼朝については、史料がずいぶん少ないとわかりました。周辺をいろいろあたるうち、伊豆という土地そのものがおもしろく思えてきました。
南方にあった火山列が、プレートに乗って北上してきて日本の本州に激突したのが伊豆半島だそうなのです。その大地の躍動感は、日本ならではのものに思えました。
あと、『曽我物語』が思った以上に楽しめて、密かなもうけものでした。